散る頃に咲く花
「な、にを、言うのだね。まさか、自害するつもりか!」
松本がまた叫んだ。
「違いますよ」
沖田が静かに答える。
「体じゃない、心が死ぬんだ」
「心が、死ぬ?」
松本が、意味が分からないといった様子で沖田を見やる。
「新選組は、僕の生きがいなんです。病気一つで離れられる訳ないじゃないですか。例え命が助かる為に離隊しても、生きてる意味を見いだす事なんて出来ない」
沖田は笑った。
「新選組は、僕の唯一の居場所なんです」