散る頃に咲く花

「そうか、しかし、無理をするのはよくない。程々にな」

そうして松本は去っていった。

「青葉ちゃん。もう出てきていいよ」

「気付いていたのですか?」 

青葉は物陰から姿を現した。

「これでも一番隊組長なんだよ?」

沖田が目を細めて笑う。

「でもだんだん、こういうことも出来なくなっちゃうんだろうね」

沖田が自嘲した。

「咳、前から出てたんですね」

青葉は小さく言った。

「ただの風邪かと思ってんだけど、違ったな」
< 193 / 338 >

この作品をシェア

pagetop