散る頃に咲く花

「どうして?」

「ん?」

「どうして笑っていられるんですか?いずれ、死んでしまうんですよ?なのに何故?」

青葉は今沖田に掛ける言葉ではないと思いながらも言ってしまった。

「強がり。空元気。作り笑い、一番隊組長としての、意地。かな」

沖田は遠くを見ながら言った。

「咳が出始めて少しした頃、自分の体が異常だなとは思ったんだ。けどまさか、労咳とはね。あぁ、僕、いつ死んじゃうんだろう」

沖田は物思いにふけるように言った。
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