散る頃に咲く花
片づけをしていると、斎藤が手伝うか聞いてきた。

「片付けは軽いので大丈夫です。ありがとうございます」

斎藤は、「そうか」、と呟くと、自分の部屋に戻って行った。

朝餉の後は洗濯だった。

洗濯するものを朝のうちに出しておき、朝餉の後に洗うらしい。

これも沖田と斎藤が手伝ってくれた。

「幹部の中で一日二人ずつ、一日中女中の手伝いする人をつくったから、今日は僕達ね」

「ありがとうございます」

それから三人で洗濯をし始めた。

斎藤が洗って、それを沖田が伸ばし、青葉が干す。

とても順調に進んだ。

たくさんの着物があり大変な作業だったが、なんとか終わった。

斎藤の洗う着物に、赤黒い血のようなものがこびり付いている時があったが、無表情で干し続けた。
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