散る頃に咲く花

「大丈夫」

沖田は近寄ろうとした青葉を手で制した。

「埃吸っちゃっただけだから」

沖田はにこりと笑った。

その様子を遠くから見ている男が言った。

「ありゃあ、出来てんじゃねぇのか?」

「出来てるって何だよ左之さん!」

原田に藤堂がつっかかる。

「あの二人、前から怪しいと思ってたんだよな」

そこに永倉が加わる。

「だ~か~ら~、何なんだよ!」

藤堂が叫ぶ。

「まだ分かんねぇのか?平助」

「さすが、お子ちゃま。鈍いなぁ」

原田と永倉がにやにやしながら言う。

「左之さんも新八っつぁんも五月蝿いよ!餓鬼じゃねえって!」
< 200 / 338 >

この作品をシェア

pagetop