散る頃に咲く花

青葉は裏口から覗いてみた。

「沖田様」

青葉の口から沖田の名が零れた。

最近、沖田の事がとても気になる。

病気の事を知った今、前以上に自分が沖田を見ていることに気づいた。

私はどうしてしまったのかしら。

沖田様の事ならお医者様に任せておけばよいのに。

「青葉?」

「藤堂様」

その時誰かに声を掛けられ、見てみると藤堂だった。

「どうしたんだ?」

「いえ、何でもありません」

青葉は中に戻ろうとした。

「総司の事、見てたのか?」
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