散る頃に咲く花
参謀の考え

ゆっくりと、目を開く。

「何、これ」

手には冷たくて柔らかい何かが。

「沖田様……?」

ゆっくりとその名を口にする。

「あ、気付いた?」

沖田が眠そうな顔で青葉に問う。

「あの、ずっと看病を?」

「そうだよ。途中で寝ちゃったけどね」

問い返す青葉に笑いながら答える。

「熱は大丈夫?」

沖田の手が額に当てられる。

「まだ、少しあるみたいだね。お医者さんは、疲れと風邪だって言ってたよ。まだ、ゆっくり休んでて」

沖田が青葉の頭を撫でる。
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