散る頃に咲く花
あ、落ち着く。
青葉は目を閉じた。
子供っぽいかもしれないが、沖田のゆっくりな手が、とても心地良い。
「ごめんね」
「え?」
唐突に沖田が言った。
「昨日のこと、謝りたくて」
「あ……」
心当たりがあるので小さく声を出した。
「平助と青葉ちゃんが話してるところ見たら、何かもやもやして、つい、当たっちゃったんだ。ごめんね」
「大丈夫。嫌われてなかっただけ、良かった」
話すのもやっとだった。
それでも青葉は、沖田が自分を嫌っていないということが分かり、安堵した。