散る頃に咲く花

「これはもう運んで大丈夫か?」

「はい。お願いします。」

二日後の朝、青葉は女中の仕事をしていた。

「病み上がりで、こんなに働いて大丈夫か?」

原田の問いに、青葉は答える。

「はい。二日間も休ませて頂いたので、もうすっかり治りました」

「それなら良かった」

膳を運ぼうとしていた井上も、安堵の笑顔を見せる。

この二日間、青葉のもとに、沢山の人がお見舞いに来てくれた。
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