散る頃に咲く花

「城崎さん、仕事をさせすぎていたんだな。本当にすまん」

青葉が倒れた次の日、近藤自らお見舞いに来てくれた。

倒れた日は青葉が話す気力もなかったから、気を使ってくれたのだろう。

「私は大丈夫です。それよりも、昨日の朝餉は大丈夫でしたか?」

「あぁ、皆で協力して作ったからな。しかし、城崎さんの飯の方がいいと、皆嘆いていた。早く良くなって、美味しい飯を食わせてくれよ」

そう言って近藤は大きな声で笑った。

「近藤さん、こいつは具合が悪くて休んでるんだぞ。もう少し声抑えらんねぇか」

呆れたように、一緒に来ていた土方が言う。

「あ、あぁ、すまん。では、早く良くなるようにな」

近藤はにっこり笑った。
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