散る頃に咲く花

同じ部屋の斎藤も、何度もお見舞いに来てくれた。

「飯を持ってきた。あんたには早く治ってもらわねば、俺達の作る飯を暫く食べなくてはならぬからな」

皆さんの作るご飯はどれだけ酷いのでしょう。

しかし、膳を見てみると、とてもきれいに出来ていた。

「とても、美味しそうに出来ていますよ?」

すると斎藤は頬を染めた。

「それは俺があんたのために作ったものだ」

「そ、そうなのですか?わざわざ申し訳ありません」

青葉は布団の上で小さく頭を下げた。
< 225 / 338 >

この作品をシェア

pagetop