散る頃に咲く花

「青葉ちゃんて、いつ朝餉食べたの?」

片付けをしているときに沖田が話しかけてきた。

「皆様の片付けをした後に頂きました」

「じゃあ、夕餉もこれから?」

青葉は頷いた。

「じゃあ、これあげる」

沖田が袋を差し出してきた。

中を見ると、可愛らしい金平糖が。

「あの、これは?」

青葉が困惑気味に訪ねた。

「女中の仕事一日目お疲れ様ってこと」

沖田は目を細めて笑った。

「ありがとうございます」

青葉がお礼を言うと、沖田は満足気に去っていった。

しばらく青葉はその場に立ち尽くすのだった。
< 23 / 338 >

この作品をシェア

pagetop