散る頃に咲く花

「んで、こいつらが伊東さんの仲間って訳だ」

土方の声と共に、襖がすっと開かれる。

「なっ……!」

「はぁ……!?」

そして誰もが声を失った。

他人の気持ちなど、他人にはけして分からないものなのである。

たとへ仲良しの人にでもみ汲み取れぬ気持ちがあるのだ。

どんに近くにいる人でも、それは分からない。

しかし逆に、誰にも気付かれずに思いを胸に抱くのも、また一種の強さなのではないか。

「藤堂様に、斎藤様……?」

青葉の呟きは、小さく響いた。
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