散る頃に咲く花

「おい平助に斎藤。何のつもりだよ。俺達を裏切るって訳か?」

永倉が低い声のまま問う。

「裏切るってなんだよ。違う場所で同じ志を持つだけのことに何でそんなに怒るわけ?」

「んだとぉ!?」

藤堂のさも当たり前だというような口調に永倉が腰を上げようとした。

「新八。状況を考えろ。局長や参謀からの話がまだあるだろうという推測は出来ぬのか」

斎藤がいつも通り冷静にさとす。

「斎藤、お前まで」

永倉は悔しそうにどっかりと腰を下ろし、目を瞑ってしまった。

「という訳で、伊東さん達は離れて活動するが、平助の言うとおり、志は一緒だ」

近藤のやけに明るい声が部屋に響いた。
< 231 / 338 >

この作品をシェア

pagetop