散る頃に咲く花

『今までありがとな。青葉』

そう言って藤堂は、いつものように笑った。

「ねぇ、一君。君が新選組を抜けるなんて、誰も予想してなかったんじゃない?」

部屋に戻ると、沖田と斎藤が話しをしていた。

「人とは、深いところにまでは分からぬものどからな」

斎藤は荷造りをしているようだった。

「深いところ?」

沖田は首を傾げる。

「己の最も志すところ、だな」

斎藤、自身の刀を見ながら言った。

「ふぅん」 

沖田も斎藤に習い、自身の刀に目を向ける。
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