散る頃に咲く花

「僕には分からないけど、まぁ、頑張ってね」

沖田が、どこか投げやりな口調で言う。

荷造りを終えた様子の斎藤が、荷物を持って立ち上がる。

「あぁ」

斎藤はそれだけ言った。

そして青葉に目を向けた。

「あんたも息災でな」

「はい。斎藤様も、お元気で」

青葉がそう言うと、斎藤は部屋を出て行った。

「本当に、行っちゃったね」

後には沖田の哀しげな言の葉が漂っていた。

それから間もなく、伊東達は新選組から離れていった。
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