散る頃に咲く花
「あれ、あんた女中の。何かあったのか?」
吉村が尋ねてくる。
「あの、朝餉が余ってしまったのですが、稽古をしている方の中で、食べたい人はいませんか?」
「食う」
青葉が問うと、即答してきた。
「でしたら、数人、屯所にいらしてください」
「分かった!何人か呼ぶよ」
青葉は礼をすると、屯所の中に戻っていった。
「いや~、旨いな~!」
そしてやって来た男たちは、旨い旨いと言いながら朝餉の残りを食べていた。