散る頃に咲く花
「君の噂、僕の耳にまで届いたよ」
夜、沖田が言ってきた。
「うちは思た事言うただけやのに、面倒くさい方々やなぁ」
青葉はうんざりといた顔で言った。
洗濯物を干しているとき、隊士達が青葉のことを覗きに来たのだ。
土方の一括で逃げていったのだが。
「まぁ、噂なんて時が経てば消えちゃうよ」
沖田がにっこりと言った。
「そうどすね」
青葉も小さく頷いた。
それからすぐに、青葉を見にくる隊士はいなくなった。
本当に良かった。
青葉は心の中で安堵した。