散る頃に咲く花

それから三月程経ったある日。

「屯所の移動をする」

近藤が告げた。

隊士のどよめきが聞こえた。

「今度は何処に行くんだ?」

「不動堂村というところだ」

原田の問いに近藤が答える。

「それぞれ荷造りをしとけよ」

土方の言葉に皆が頷いた。

その後隊士はそれぞれの部屋に戻っていった。

「ケホッ、ケホッ。ケホッ、カハッ!」

部屋の中で、沖田は咳をしていた。

「僕は、いつまで保つんだ?」

沖田は掌に付いた血を見ながら、小さく呟いた。
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