散る頃に咲く花

「けど、平助のやつをどうにか救う手立てはねぇのか」

永倉の悔しそうな声が聞こえる。

藤堂様を、救う?

いったい、何が起こっているのかしら。

青葉の頭は疑問でいっぱいになっていった。

「城崎か。何を立ち止まっているのだ?」

突如、誰かに声を掛けられた。

「斎藤様……」

斎藤の目は青葉から、永倉と原田に移った。

「新八に左之。さてはここで今夜の事を話していたのではあるまいな」

斎藤が鋭く問う。

「すまねぇ、斎藤。青葉に聞かれちまったみてぇだ」

原田が申し訳なさそうに言う。
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