散る頃に咲く花
空の君
部屋に着くと、沖田が酒を飲んでいた。
斎藤は縁側に座り月を見ている。
「沖田様、お酒は、身体によくありませんよ」
青葉は心此処にあらずといった様子で沖田に言う。
「飲まずに、やってられると思う?」
沖田の鋭い目が青葉を射抜く。
「総司、他人に当たるのは、良くない」
斎藤が沖田を窘めた。
振り返った斎藤の頬には、涙の線があった。
「俺も、酒を飲もう」
斎藤は杯に酒を注ぎ、一気に煽る。