散る頃に咲く花
その日、三人は夜を泣いて過ごした。
体を震わせ、歯を食いしばり、泣いた。
酒をどれだけ飲んでも、酔うことなど、到底無理だった。
どれだけ泣いても朝は来るもので、鳥の声と共に、部屋に光が差し込む。
うっすらとまぶたを開けると、青葉は布団の上にいた。
「朝……?」
起きあがると頭がぐらぐらする。
二日酔いかしら。
青葉は昨日の事を思い出した。
泣いた後の記憶がない。
「起きたか?」
すると、誰かに声を掛けられた。
「斎藤様……」
縁側に座る斎藤だった。
「昨日は泣き疲れて寝てしまったようだな」
斎藤の言葉に青葉ははっとする。
「斎藤様が私を布団に?」