散る頃に咲く花
闘いの始まり
「ケホッ、ゴホッ、ゴホッ、ガハァ!」
夜中に誰かの咳で目が覚めた。
誰かしら。
外に目を向けると誰かがうずくまっている。
「沖田様……?」
青葉は立ち上がり、沖田の側に行った。
「これは……!」
沖田の周りには、真っ赤な血が。
「沖田様、この血は……。吐いたのですか?」
沖田の口の周りも真っ赤に染まっていた。
月明かりに照らされた顔は、まるで、獲物を食い殺すことの出来なかった野獣のよう。
沖田自身、酷く動揺している様子だった。
「僕は、いつまでいきられるんだ?」
沖田は儚げに呟く。