散る頃に咲く花

そのまま沖田は部屋に戻ってしまった。

吐いた血を睨みつけるようにして土で隠して……。

御陵衛士壊滅からちょうど一カ月後の事。

「近藤さんが狙撃されただぁ!?」

土方の声が屯所に響いた。

「はい。御陵衛士の残等と思われます。京都御所からの帰り道に撃たれたようです。今、手当てをしています。それで、山崎が言うには、今夜が峠だと」

言いにくそうに斎藤が告げる。

「俺も近藤までの所に行く」

そう言うと土方は素早く歩き出した。

近藤様が、狙撃?

「あんたも心配ならば来るといい。誰も文句は言うまい」

斎藤にそう言われ、青葉も近藤のようすを見に行くことにした。
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