散る頃に咲く花

「ぐぅ、うぁぁぉ、あぁぁぉぉ!」

近藤の呻き声が聞こえる。

「近藤さん……」

土方は近藤の名前を呟いた。

近藤の側には沖田と山崎がいる。

沖田は念仏の様に近藤の名前を連呼している。

すると山崎が近づいてきた。

「出来る限りの手当てはしました。せやけど、助かるかどうかは……」

山崎が悔しそうに告げる。

「すまねぇな、観察方の仕事もあるってのに。医学に明るいお前にしかこんな事頼めねぇんだ」

山崎様、医療も担当しているのね。

青葉は近藤に目を向けた。

また、誰かが死ぬの?

私の関わった人が、また一人一人。
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