散る頃に咲く花

僕はその子を何度も抱き締めた。

強く、強く。

抵抗するけど、僕の力には適わないのかな。

最後はいつも静かに抱き締めたられていた。

恋仲でもないのに抱き締める僕っておかしいのかな。

そんな疑問を持っていても、君のことを、抱き締めてしまうんだ。

そしたらある日、初めて僕のことを抱き締め返してくれた。

その日は確か、僕が宗次郎だって話しをした日だった気がする。

君、すごいびっくりしてたよね。

で、僕君から抱き締めてって言ったらすごい慌てちゃって。

そんな姿も可愛いなって思ったよ。

だから急に抱き締めたくなって、僕から抱き締めたんだ。

そしたら、抱き締め返してくれた。
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