散る頃に咲く花

その日は山南さんが死んだ日だったからかな。

僕が宗次郎だって話をした日だったからかな。

君は僕を受け止めてくれた。

そんな気がしたんだ。

その日は、君も傷ついてたよね。

仲の良かった山南さんが死んだから。

だから僕に縋るように抱き締め返してくれてた。

だから僕も縋ったんだ。

山南さんが死んだ事を僕のせいじゃないって言ってくれた君に。

心の風穴を埋めるように。
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