散る頃に咲く花
青葉は呟かずにはいられなかった。
それを見た沖田は青葉を離し、肩を掴み言った。
「ねぇ、青葉ちゃん。一緒に大阪に来ない?」
「大阪に、どすか?」
青葉は戸惑った。
やっと好きだと気づいた沖田様と離れる事になるのを忘れていたわ。
けれど、
「うちは新選組の女中なんどす。着いていく訳には……」
「それならきっと大丈夫だよ。これから戦が始まるんだ。土方さんも、君を危険に晒したりはしないと思うよ」
真っ直ぐな目に見つめられるとどうしたらいいか分からなくなる。
「それは、土方様に聞いてみなくては分かりまへんし」