散る頃に咲く花
その後部屋に戻った青葉は、団子と金平糖を見つめていた。
夕餉の準備に行こうと思うのだが、どうしても不思議に思ってしまうことがある。
何故私にいろいろとくれるのだろう。
ただの女中に過ぎない私に。
何故笑顔を向けてくれるのだろうか。
それに比べ、私は一度も笑顔を見せていない。
まぁ、もともと見せるつもりはないのだが。
しかし、命令だと言われれば、愛想笑いの術を再発させるしかないだろう。
結局よくわからない。ということで締めくくり、夕餉の準備をしに台所へ向かったのだった。