散る頃に咲く花

「顔をあげたまえ。別に、聞かれて困る話をしていたわけではないからいいんだ。だろう?沖田君」

「そうですね」

松本の問に沖田にっこりと笑った。

「私はこれで失礼するから、城崎さんは沖田君とゆっくり話しなさい」

松本はそう言うと部屋を出て行った。

「あの、沖田様。本当に申し訳ありませんでした」

青葉はまた頭を下げた。

「いいのいいの。それよりも、こっちおいでよ」

沖田は自分の布団の隣を手でポンポンとした。

「失礼致します」

青葉は立ち上がると沖田の側に座った。

「青葉ちゃん、心配してくれたんだね」

沖田が目を細めて笑った。
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