散る頃に咲く花

「はい。あの、新選組の中からも死傷者が出たと近藤様から聞いたもので」

沖田は

「うん」

と頷いた。

「僕も、早く良くなって、戦いに参加しないと」

沖田は自分の手を強く握った。

「体調が安定すれば、きっと戦えるようになりますよ」

青葉がそう言うと、沖田は少し驚いたような顔をした。

「どうかなさいましたか?」

「いや、反対しないんだなぁと思って」

「沖田様がやりたいことなら、私ももう止めようとはしません」

青葉は少しだけ悲しそうに言った。
< 303 / 338 >

この作品をシェア

pagetop