散る頃に咲く花

沖田は悔しそうに呟く。

「早く良くなって、戦いに参加しないと」

ひたすら真っ直ぐな目をする沖田を、青葉はただ見ている事しか出来なかった。

「城崎、山崎の所に連れて行ってくれて、ありがとな」

その時土方に声をかけられた。

「山崎、安らかに逝った」

「そんなっ……!」

俯きながら言う土方は、いつもより小さく見えた。

そうだ、此処はいつ誰が死ぬのか分からない場所。

さっきまで話していた人が、もういないかもしれない場所なんだわ。

それでも、それでも悲しいのです。
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