散る頃に咲く花

近藤が訪ねてきたのはそんな時だった。

「調子はどうだ?総司」

沖田に近藤の優しい声がかけられる。

「大丈夫ですよ」

沖田は弱々しく笑う。

それはもう、誰から見ても強がりの他ならなかった。

「新選組は、甲陽鎮撫隊として甲州に行くことになった」

「それは、戦をするということですか?」

近藤の言葉に沖田の目が鋭くなる。

近藤は頷いた。

「なら、僕も行きます」

沖田が立ち上がろうとする。
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