散る頃に咲く花

自分の不甲斐なさか、それとも沖田の病気を治せない悔しさか。

青葉も悔しかった。

愛しい人に慰めの言葉もかけてやることがてきない。

私は、心が小さいのかしら。

ただただ、泣いている総司様を見ていることしか出来ないなんて。

近藤は、

「総司を頼む」

とだけ青葉に言い、その場を去った。

それは、近藤が戦場に行くことを意味していた。

「どうか、御武運を」

青葉も近藤の背中にそう、声をかけた。
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