散る頃に咲く花

近藤達が甲陽鎮撫隊として甲州に向かってから一月以上が経った。

「城崎さん、少しいいかい?」

部屋にいた青葉は、沖田の病気の面倒を見るために江戸に付いて来た松本に呼ばれた。

「お入りください」

青葉は松本を部屋に通した。

「実はね、近藤さんが、亡くなられたんだ?」

「はい?」

この人は、何を言っているの?

近藤様が亡くなられた?

「一月前、近藤様は元気だったのですよ?亡くなられたなんて、そんな事あるはずがないじゃないですか」

そうよ、近藤様はそんな簡単に死ぬような方じゃないわ。

だって、新選組局長なのよ?
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