散る頃に咲く花

「身を置いていた下総流山を、敵に囲まれて投降したらしい。そしてこの間、斬首されたそうだ」

青葉の心を無視するかのように松本が言う。

「近藤さんの首は、三条大橋に晒されたと」

近藤様が斬首?

首が、晒される?

そんな、本当にこの世にもう近藤様はいないの?

一月前に此処に来て、私に総司様を託した。

泣きじゃくる総司様を抱き締めていた。

あの、優しい近藤様が、もういないの?

松本の言葉を理解したくないのに、頭がだんだんと理解していった。
< 325 / 338 >

この作品をシェア

pagetop