散る頃に咲く花

私は、大切な人に嘘をついている。

なんて、罪深いのでしょう。

最低だわ。

その時青葉の前に誰か立った。

「城崎さん」

「松本様……」

それは松本だった。

「辛いことをさせてしまい、本当にすまない。しかし、沖田君の状態の悪化を防ぐには、こうするしかないんだ」

松本が悔しそうな顔をする。

「はい‥…。総司様に生きて頂くためなら、大丈夫です」

それでも、涙は溢れる。

ごめんなさい。ごめんなさい。

青葉は心の中で、いつまでも謝り続けた。
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