散る頃に咲く花
「やめてください」
引っ込めようとする青葉の手を強く握る。
「痛っ!」
力が強い。痛い。
やはり男と女の力の差は必然なのだ。
「声も綺麗なんだね」
男は、顔を近付けてくる。
気持ち悪い。
その時、青葉の中の何かが切れた。
「私はやめてと言いました。私に非はありませんから」
青葉は掴まれている方の手から男を地面に叩きつけた。
何が起きたのか分からなそうな顔をしていた男だったが、次第に苦しそうに足掻き始めた。
「では、お休みなさい」
青葉はそこから立ち去ろうとする。
「すごいね、君」