散る頃に咲く花
その後は沈黙が続いた。
「沖田様、本当に土方様に報告するのですか?」
先に口を開いたのは青葉だった。
そしたら、あの男は切腹になりかねないのでは。
あの男も人間なのだ。
女に手を出そうとしただけで切腹は、いささか可哀想な気もする。
「君はどうして欲しいの?」
逆に沖田が尋ねてきた。
「報告を、してほしくないです」
青葉は素直に言った。
「そっか。じゃあ、報告はなしってことで」
「ありがとうございます」
静かな夜だった。