散る頃に咲く花

問い詰めにでも来たのかしら。

そう思い襖を開けると、藤堂がいた。

「藤堂様」

「青葉、大丈夫か?」

青葉が名を呼ぶと、藤堂が心配そうに聞いてきた。

「俺、青葉が蛙嫌いなこと知ってたから、なおさら心配になっちゃってさ」

「大丈夫です。取り乱したりして、申し訳ありませんでした」

気丈にしている青葉を見て、藤堂も安心したようだった。

「いや、あんなの見れば誰だってあぁなるって。俺とか、皆だって、顔しかめてたもん」

藤堂はそう言ってくれた。
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