散る頃に咲く花
「本当に、申し訳ありませんでした」
頭を下げ、青葉は襖を閉めようとした。
しかし藤堂は戻ろうとせず、青葉に何か言おうとしている。
相手が戻らないのにこちらから襖を閉めるのは失礼に値する。
しかし、問われるのは嫌だ。
どうしたものかと悩んでいると、遂に藤堂が口を開いた。
「あのさ!さっきの喋り方のことなんだけどさ!何で、話せるんだ?京の、言葉」
やはりきた。
「すみません。お話は出来ません」
青葉は深く礼をした。
「だ、だよな!変なこと聞こうとして悪かったな!じゃな!」
藤堂は不自然なくらい元気に戻っていった。
本当に優しい人だわ。
私に気を遣わせないようにしてくれた。
それに比べて、
「私が話すことは何もありませんよ」
今青葉の目の前に立つ男に放った。
沖田だった。