散る頃に咲く花
大金を払ってまで、どうして私を買うのかしら。
きっと、私をひき引き取った男のように、私を傷つけるんだわ。
けど、環境が変わるのならば、それだけで満足だわ。
そして、青葉が売り渡される日がやってきた。
青葉を傷つけ続けた男は卑しい顔でお金を受け取る。
『それでは奥沢はん。おおきに』
青葉を買った男は奥沢というらしい。
男は青葉には目を合わせることもなく、奥沢を送り出したのだった。
奥沢は江戸に住んでいるという。
奥沢は、やさしそうな中年の男だった。
しかし、やさしそうな顔の裏に何を隠しているか分かったものではない。
それを男に教えてもらったのだ。
青葉が実際に体験して。