散る頃に咲く花
栄助は青葉の頭を撫でると、今度こそ背をむけてしまった。
栄さんが行ってしまう!
次会えるのはいつ?
その時までに私が笑えていなかったら、栄さんは悲しむ?
本当にこれでいいの?
そんな事が頭を駆け巡る中、栄助の背はどんどん遠ざかってゆく。
『栄さん!』
青葉は、気がつくと栄助の元に走り寄っていた。
『青葉?』
『栄さん』
青葉は、栄助に優しく笑いかけた。
『私、幸せです。今も、これからも。だから栄さん、ちゃんと帰ってきてくださいね』