散る頃に咲く花
栄助からは、三日に一度くらいの頻度で手紙がきた。
手紙の一文字一文字に心が込められていて、手紙を読む一時が、青葉の大切な時間になった。
やがて、半年近くが経った。
栄助から二週間近く手紙が来ない。
栄さんに何かあったのかしら。
心配だわ。
青葉は、毎日飛脚を待っていた。
そしてやっときた手紙は、栄助からの手紙ではなかった。
差出人は、『近藤勇』。
栄助からの手紙の中に、何度か出てきた名前だ。
新選組の局長であり、とても優しく、芯の強い人だ。と、褒め称えてあった。
何かしら。
青葉は手紙を詠むと、膝から崩れた。
手紙には
『奥沢栄助
池田屋事変にて死去
元治元年六月五日』