散る頃に咲く花
犯人の事情
「それから近藤様に、女中になりたいという手紙を送り、今に至るというわけです」
「ふぅん」
沖田の第一声はこれだった。
「もういいでしょう。ご自分の部屋にお戻りください」
青葉は沖田を追い出そうと立ち上がる。
「ねぇ、一つだけ聞いてもいい?」
沖田も立ち上がりながら、青葉に声をかけた。
「近藤さんに奥沢くんのお墓の場所聞いたのに、どうしてお墓に行かないの?」
「知っていたのですか?」
青葉は驚いた。
初日の夕餉の後の近藤との会話を沖田に聞かれていたのか。