散る頃に咲く花

犯人の隊士がピクリと震える。

「山崎様に教えて頂いたのです」

青葉は、夕餉の片付けの最中に、先程会ったばかりの山崎と会話をしていた。

『では、その隊士は、他の隊士に脅されて仕方なくやったということですか?』

『あぁ。俺は観察方だから、隊士の様子を見たりしていたんだ。すると、八木邸で、一人の隊士が何人かの隊士に囲まれていたんだ』

『それがその...』

山崎は頷いた。

『犯人だ』

『でも何故そんなことを?』

『とても言いにくいのだが...…』

山崎は一度黙ったが、言葉を放った。

『君を八木邸に誘い込もうとしていたらしいんだ』

『私を?』
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