散る頃に咲く花

『え?』

『そんなことも出来ない弱虫だったのか。とな』

青葉はあの男を少し不憫に思った。

しかし、手を触られたりするのは本当に嫌だったのだ。

『それで、弱虫でないことを証明するためにあんなことを?』

山崎は頷いた。

『もっとも、それもやらされていたようだがな。男が蛙を集めているのを周りで嘲笑っている隊士がいたから、おかしいとは思っていたのだが』

やはりここでも、そういった部類の、嫌な人間関係があるようだ。

だまってしまった青葉を見て、山崎が言った。

『ここからは、君の好きなようにするといい。俺は観察と、その報告しかしないからな』
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