散る頃に咲く花
「俺って格好いいだろ?だから、そんな事に使われちまうんだ」
「はぁ」
青葉は一応頷く。
自分で自分のことを格好いいと言うとは。
まぁ、確かに整った顔をしている。
「やりたくないと反論はしなかったのですか?」
「言ったさ!けど、そんな事すら出来ないのかと馬鹿にされて、悔しくてつい……。悪かったな。本当に」
隊士は俯いてしまった。
「もう過ぎたことですからいいですよ」
本当は、あの光景は、二度と忘れないと思う。
けれど、許さないと言ったら、この隊士が不憫だし、ここを出て行ったら、栄助の墓に行くことも出来ない。
だから、青葉は隊士を許したのだった。