散る頃に咲く花

そう言われると、自分が悪いことをした感じになってしまう。

どうしたものか。

すると沖田は青葉の手を掴みます、紐を握らせた。

「なにをするんです!」

「じゃあ、あげたからね」

驚く青葉に沖田は飄々と言ってのけた。

「さ、帰るよ」

そのまま沖田は歩き出してしまった。

「あの、本当にすみません。大したこともしていないのに」

「謝られるよりも、お礼が言われたいな」

何度も謝る青葉に沖田が言った。

だから青葉も、

「ありがとうございます」

と、お礼を言ったのだった。
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