散る頃に咲く花
帰り道。
沖田はとつぜん青葉に言った。
「今度から、京の言葉で話してくれない?」
「嫌です」
青葉は即答した。
「そんなに早く答えなくてもいいじゃないか」
沖田は口を尖らせる。
「何故私が、私が嫌いな京の言葉で話さなくてはいけないのですか?」
「落ち着くから」
「はい?」
「落ち着くんだよ。なんでか」
沖田は呟くように言う。
「江戸にいたころね、京の言葉を使う女の子に会ったんだ。その子の事を思い出すんだ」
だから落ち着くのですか。
けど、私には関係ないわ。